STRONGHOLD
最近は引き続き、Gジャンをいろいろと着たりしています。いま気になっているのは、久々にSTRONGHOLD。何年か前にレディースのブランドとして復活しましたよね。ここはチャップリンが“モダン・タイムス”で着たストライプのオーバーオールが有名ですが、こんなショートのGジャンも出していて、実はうちのRancheroの元ネタ/インスピレーションだったりもします。
パッと見はリーバイスのファーストに代表される、ヨーク(胸の切り返し)+左右2本ずつのプリーツ+左側1ポケット、という古いGジャンの基本に忠実なレイアウト。ですが…
生地のオンスがワークウエアと同じ8オンス、ボディの型紙がドロップショルダー+地の目横取りのキモノスリーブ …という1800年代のワークシャツやジャケットなどに見られる非常に古典的なもの、という2点がSTRONGHOLDを リーバイスとは決定的な別物にしています。
襟は戦前のファーストなどにも見られる、直角ワイドスプレッドというごく古典的なもの。高いフロントヨーク位置と相まって、かなりクラシックな印象となっています。
スティーブ君がプリントされたラベル…は、 西海岸の古いブランドによく見られるクロス製。Superと言う文字が見えますが、これは多分生地が防縮加工済みという意味。1930年代中〜後半の製品でしょうか。
ボタンにもスティーブ君。オールバックがきまってます。
ポケットは戦前のファーストかそれ以上に大きく、かつ下目にセット…このバランスが好きですね。
カフスはファーストなどと同じく逆閉じ。今の目で見るとどこか不条理に見えますが、これがいい。ステッチは戦前のリーバイスなどと同様、玉子の黄味のようなオレンジ。私の考えではリーバイスのステッチの色はカッパーリベットに対比して決めたと 思っているのですが、これも同様でしょうか。
バックもほぼファーストですが、高いヨーク位置がよりクラシック。ちょっと分かりにくいかもですが、ハイバックのオーバーオールのサスペンダー跡がうっすらと見えるでしょうか?やはりワークというか、オーバーオールの上に着ていたんですね…。
バックベルト/リベットの打ち方にも一家言あり?3個のリベットを連発してステッチ上に打ち込んでいます。そして細めのウエストバンドにはWのチェーンステッチ、でも太目のカフス/無骨な襟にはコバステッチ…というメリハリ…。私には独自のセンスというか美意識が感じられます。偶然というよりは、 引いた目線で天才的な人が全体のバランスをさらっと調整した気がしますね。
このジャケット、なんと日本に住んでいた時から持っているんですよね。
懐かしいです…よく今まで持ってましたね。
(オオフチ)