何にでもいわゆる王道物というのがありますが、上の写真のBIGYANK製の1920年代物のシャンブレーシャツなどは、まさにワークシャツのそれにあたると思います。防縮加工されていない、しかし最高レベルの色と風合いのシャンブレー生地に、当然のごとくのチンスト&メタルボタン。そしてとどめはプルオーバーという、まさにビンテージディテール、フル装備。

BIGYANKらしいつくりの確かさとデザイン、パターンのオリジナリティがこの時点ですでに確立されつつあり、ワークシャツの往年の一流ブランドとしての王者の風格が感じられます。

また、別件ですがこんなベクトルのシャツも気になったりします。シャンブレーというよりもブリーチアウトしたデニムに近い、しなやかなドレープを持つ安っぽい綿ポリ素材に加え、1970年代のシェイプの入ったボディを強引にプルオーバー化、そのせいかやけに深いフロントの開き。

ブランド的にはARROWという、アメリカの伝統的なメンズシャツ専門ブランド製で、中の上といったポジションの製品ですが、B級でユル目なインパクトが琴線に引っかかりました。サブラインと思われるMACH2(マッハ2)という名前も、当時のコンコルド(飛行機)やムスタング(クルマ)に追いつけ追い越せといった70sのスピード感が伝わってきます。

プルオーバーのシャンブレーシャツ、二極のバリエーションでした。(オオフチ)