私がフレンチ・チャイナに惹かれたきっかけは、1980年代前半にフランス版ELLEマガジンに載っていた、インディゴ・ブルー特集(?)のスタイリング写真を見た時。その中で太陽あふれるビーチをバックに、若いブロンドの男性モデルがフェードしたリーバイスの501+Tシャツの上に着ていた、今まで見たことのない美しいインディゴ色のジャケット・・・それが、フレンチ・チャイナでした。

その頃の私は、特にデニムが好きでしたが、レプリカブランドが今でも作っているようなアイテム・・・リーバイスXXのパンツ やジャケット・・・スウェットシャツ・・・フライトジャケット・・・スタジャンやスカジャン・・・ハワイアン・シャツ・・・などなど、全身がビンテージ・・・

それらを、やはりビンテージのジャック・パーセルやウエストンのリザードローファー、ラフアウトのペコス・ブーツやチロリアン・シューズ・・・そして、カシミアのVネックセーターやパール編みのカーディガン・・・などを合わせて着る、今の自分が見ても、小生意気でちょっとヘソの曲がった若僧でした。

そんな若僧がある時から、当時は誰も興味がない戦前もののカバーオールやワークウエアに魅せられ・・・それは、東洋人がデニムをウエスタンっぽく着ても、欧米人にはジョークにしか見えない・・・と、思っていたので、アメリカ人には興味がない/着こなせない/もしくは、コスプレになってしまう・・・でも、和服ではない・・・そんな、インディゴ・ブルーの境地を模索していたんでしょうね。そんな延長線上で、ビンテージのワークウエアと同様に、フレンチ・チャイナに興味を持っていったような気がします。

ビンテージ・フレンチ・チャイナの、まるで和物やビンテージ・キャリコのような、デニムとは一味も二味も違う深いブルーの色味・・・と、チャイナ・トグル・・・そしてスタンド・カラーではなく、いい意味でアメリカっぽくない、ラウンドしたシャツ・カラー・・・それら全てのミックス具合に、ヤラれたんだと思います。

そんな、ちょいヘソ曲がり(笑)なアイテムですが、今また新鮮な輝きが感じられる、今日この頃です。(オオフチ)