最近は、不定期に訪れる古着熱が再燃、恒例?のごとくあれこれ見直したり、ちょろちょろ浮気してみたり…が、戻ってくるところはやはり同じ。進歩が無いのか、何が無いのか…ともあれ、ワーク系に戻ってきます。

そして、私的なワークの柱は2本。カバーオール系とロガー系ですね。その時々のムードによってどちらかが気分だったり、また両方だったり…と色々ありますが、やはり私の場合はこの2本。

さらにロガー系は、純粋なワーク用であるロガージャケット系と、ややホワイトカラー寄りなクルーザージャケット系の2つに別れます。今回は2ポケット&W構造の、典型的なヘビーデューティー仕様のロガージャケットを紹介してみたいと思います。


ブランドはHIRSCH & WEISS。年代は…1930年前後くらいでしょうか。おなじみWHITE STAGの前身ブランドで、元々はテント及び日除け屋さんらしいですが、妙に納得出来ますね。DARIUS KINSEYなどの1930年代頃までのシアトルあたりのロガー写真集では、このブランドや同様のロガージャケットを着ている写真が多いです。印象的なイタリアン・カラーは、ロガー系に限らず同年代のアウターウエアなどにも見られるディテールですが、このブランドのそれはおさまり具合、パターンのカーブが絶妙です。

フロントはスナップ+下半分比翼のボタンフライ。ベジタブル系?の古いアウトドアウエアなどに見られるボタンを使用しています。年代その他の事情ですべてボタンだったりスナップだったり、また比翼でないものもありますが、写真のような比翼+胸のみの2ポケットが基本仕様。これらのディテールは、プルオーバー時代の名残り、もしくは胸から下が何かに頻繁に接触するような作業に対応した仕様、と推測出来ますが…本当のところはわかりません。ブランドによっては、クルーザー的な4つポケットのバリエーションがある場合もありますね。

ケープをフラップとして利用した胸ポケット。このポケットの小ささが、フロントの比翼と相まってビンテージロガーな印象を強めています。この一枚はアンティークな風合いのブラス製スナップでケープに留めていますが 、ブランドや年代によってはボタンだったり、またケープに留めないもの、さらにはまったく留めるものが無い場合もあります。

袖、フロントのケープ、そしてバックのほぼすべてがWになっています。写真ではわかりませんが、袖の外側、フロントとバックの上部には薄い防水素材(この個体はクラシックなオイルクロス)がW部とシェルの間に仕込まれています。肩シームの無い袖と相まって、雨の中のロガー作業でも極力身体が濡れない仕様になっているんですね。ちなみにブランド、年代によってはテーブルクロスのような薄いビニール素材が入っているものや、まったく何も入っていない場合も多々あります。

…と、一見シンプルに見えるロガージャケットですが、実は特徴的なディテールが満載です。そしてこのタイプの肩シームの無いドルマンスリーブのWロガー全般に言える事ですが…さらっと普通に着ると、てるてる坊主?…。でも、着るのがいくら難しくても、物としては妙に気になるのが困ったところですよね…。
(オオフチ)