着込む
行ったり来たりの微妙な天候のせいで、未だうちの春物はあまり着れていません…でも最近の個人的な興味の一つとしてPost O’Alls以外の服を組み合わせてその相性をみる、というのがあり、今のところはその点では充実しています。
以前ブログでも出したWashington DEE-CEEの50年代くらいのカバーオールジャケット( http://170times.jp/ny/archive/2014/09/update-aug_14.html )。古着のカバーオールでは最近これが気になっており、今回の帰国にも持ってきました。デザイン、ディテール的にも平凡な佳作ですが、なぜか気になる全体の仕上がり…カーブの弱いラグランスリーブなのも好きなポイントですね。
オーバーオールとは違う小型のラベル…なんとなく同社のチノパンかワークシャツ?などで見たことがあるような、無いような…これが個人的にはキモですかね。
どう見てもいい加減な、手作り感溢れる形状の右胸ポケット&フラップ。その証拠にフラップには必要十分をはるかに上回る量の縫い代がざっくりと折り込まれています。こんな再現不可能、というよりも再現すると良さが消えてしまいそうなディテールもいいですね。
50年代というよりも70年代寄りの60年代っぽい襟。さらにアンバランスなまでに低い台襟との組み合わせ…が、着た感じのユルさを醸し出しています。偶然なんでしょうが、絶妙ですね。
カフスの感じもいいですね。前にも書きましたが、45度に入れられたキーホールが、またいい。裏からあてられたカフスの急カーブもいい感じ。
ほぼ意味の無い、前立て終わり部に入れられたグリーンのバータック。一応綿糸なのでいい感じに色落ちするはず。ローワー(下側)ポケットのステッチ裏は、予想を裏切って飾りではなくドリルクロスの補強が入れられています。
自分が服を作り始めてから出来ていない事…それはひとつの服を時間をかけて着込む事。帰国の際は限られた服しか持って来れないので、結果的に短期間ではありますが着込める事が可能になります。今回は古着ですが、思い出すのはブランドを始める以前の事…自分で作ったワークウエアを着て工場で仕事をするのが私の夢の一つでした。
今週はそろそろうちの春物が着れそうですが…どんなもんでしょう?
(オオフチ)
P.S.
インタビューしていただきました。ありがとうございます!