何年かに一度、不定期的に食べているハンバーガーがあります。そのお店はマンハッタンから車で東に1時間くらい、ロングアイランドはマサピークアという町にあります。確か今から30年近く前、デッドストックを買い付けに行った際にたまたま入ったのが始まりでした。

私が住み始めた1980年代後半のニューヨークでは、ハンバーガーを食べようと思えばマクドナルドなどのチェーン店か、個人経営のダイナーに行く感じでした。個人経営のダイナーは個性的なお店も多々あって、例えば昔住んでいたビレッジのアパートのそばにあったダイナーは、ハンバーガーだけでも10種類くらいあり、中でもハムとソテーした玉ねぎ入りの“バンクハウス”がお気に入りでした。

他にもあちらこちらに好きなハンバーガーはありましたが、特に当時のダイナー系全般に言えるのは量が多過ぎるということ。プラター(ポテト付き)にするとフレンチフライも同様に多過ぎて、調子に乗ってバニラシェイクなんかを一緒に頼んでしまうと、食べ終わった後はなかなかのぐったり加減です。今だったらもう、完食できないかもしれません。

でもこの写真のお店、ALL AMERICAN DRIVE-INは珍しく小ぶりなハンバーガーを出してくれます。どんな塩梅かといえば・・・見た目も味もマクドナルドのレギュラーのハンバーガー/チーズバーガーにそっくり。でもマクドナルドよりも数段うまい・・・という不思議な設定。昔のアメリカのハンバーガーってこんな味だったのかな?というような想像力を掻き立てる微妙な味なんですね。

私は マクドナルドのハンバーガーは好きな方ですが、小学校低学年の頃に生まれて初めて食べたハンバーガーが銀座に出来たばかりのマクドナルドだったんですね。その後すぐに地元にも出来たのですが、確かハンバーガーが180円、ポテトが120円、シェイクが220円くらい?その当時のインパクトが大きいせいか、物心ついて様々なハンバーガーを食べるようになっても、たまにマクドナルドのシンプルなチーズバーガーとかフィレオ・フィッシュが無性に食べたくなるんですね。ALL AMERICAN~が好きなのも、そういう伏線があっての話かもしれませんね。

検索してみたらHPもあるようで( www.allamericanhamburgerli.com)、ロングアイランドのサウスショア方面に行く用事でもあれば、ぜひトライしてみてください。ひっきりなしに地元の老若男女が集まってくるローカルハンバーガー屋さん・・・一つの体験と言える、今時レアな味だと思います。

(オオフチ)