どんより系も好きで、例えばこんなシュールなオブジェ。一目見ただけでは何なのかよくわかりません。

炭鉱町の1シーンを立体的な平面で表現しており、材質は恐らく石膏系で、そこに凹凸を付けた物。何年か前にどこかのアンティーク屋で見つけ、何も考えずに買っていました。何年代の物か、どこのメーカーが何の為に作った物なのかもわかりません。まさか炭鉱町のお土産として売っていたわけでも無さそうだし……。

実際に炭鉱で働いていた人であれば、こんな辛い仕事や生活を思い出させるような物は欲しくはなさそうです。観光地のような明るさもまずなさそうなシーンなので、ペナントや絵葉書のように楽しい感じで売られていた物とも思えない。

こんな暗く、ワケも分からない物ですが、バリエーションがあればいろいろと見てみたい。様々な炭鉱、そして鉄鋼系や工業系のシリーズなどもあれば集めてみたい。

この手の趣向は、「明日のジョー」や「モーレツあ太郎」なんかに出てくるような、川のある下町のインダストリアルな風景(土管付き)に憧れていた子供の頃から、毎日工場に通うオヤジになった今でも続いている長期的な謎でもあります。先祖に工業系の人がいたわけでもなさそうだし、原因は不明。

そしてそれは、ワークウエアに取り憑かれ、ワークエアを作り始めて10年以上経過した今でも、何か強力な磁力で押さえ込まれたかのように、ワーク系から逃れられないでいることと何か関係があるのか? とも思えてきます。
こうなってくるとどこか哲学的な匂いさえ立ち昇ってきますが、キーワードは“はかなさ”ではないかと感知しています。

暗い物は、明るめな物とさりげなく組み合わせてみる、ってワケでもないけれど「WESTERN UNION」のサインの前でさりげなく“どんより感“を演出しています。(オオフチ)