GRETSCHギター
GRETSCH=グレッチというと、いまや世界的にロカビリーなイメージとなってしまいました。まあ、それもしかたがないと言えばしかたないですが……。
だって、やはり堅気の楽器メーカーとは違います。チンピラっぽいというか。でも実際は親分というよりも無責任なアニキって感じでしょうか。そのせいか、写真のように“なんちゃってJAZZYなフレーバー”もこなします。
GRETSCHの地元はニューヨーク、ブルックリン。隆盛を極めた50~60年代には、チンピラっぽいイタリア系およびヒスパニック系の従業員が黒髪をポマードで光らせながら工場や倉庫で働いていたイメージがあります。遊び心のある女子社員も大勢いるはず。社長はモダンな生活を好み、当時最新のスタイルで生活しているイメージ。なぜかラスベガスの匂いもしますが。
そんなメーカーがつくるギターは、クラフツマンシップがどうのこうの、伝統が何々、などと野暮なことは言いっこなしで、うわべの化粧と下らない発明を武器に華麗に時代を駆け抜けました。偉そうに、時におだてて、売ってしまえばこっちのもの。まさにニューヨーク、ひいてはアメリカ的な匂いがプンプンです。
相変わらず世界を席捲しているアメリカ芸能界。その脇役として欠かせないのがアメリカンギター。やはり服や車などと同様に、代表的なアメリカンアイコンのひとつであり、そこには他でもないアメリカンデザインの魂がガッツーンと宿っています。(オオフチ)