特に林業に憧れているわけでもなければ、親戚に木こりがいて幼少の頃から親しんでいるわけでもありません。

たまたま、ほぼ100年前の彼らの着こなしが自分のイメージするPOST O’ALLS
のワークウエアのスタイリングに近かっただけです。

ワーク系としてはレアな5ポケットのジーンズやロガーパンツを頻繁に履く彼らは、足元が本チャンのスパイキーなロガーブーツということをのぞけば、そのまま現代の古着屋やRRLなどの店員になれるほど。これは稀なことです。

その昔も今も、ニューヨークなどの都市部においてはワークウエアは単なるワークウエアでしょう。仕事が終わればボロを脱ぎ捨て、街着に着替えて街に繰り出す。
ミッドウエストなど農業がメインなエリアでは、オーバーオールにカバーオールジャケット、そしてシャンブレーのワークシャツ。仕事が終わって家に帰ってもそのままのカッコか、汚れていない同じような服に着替えるのみだと思います。
そして工員は、シフトが終われば汚れたワークウエアのまま酒場へ繰り出すって感じでしょうか。

それはそれで趣きはありますが、それらとくらべ、リーバイスに代表される14オンスの5ポケットジーンズやリベット付きのロガージーンズ、もしくはワックスの入ったロガーパンツにプルオーバーのワークシャツ、そしてその上にカバーオールジャケットやクルーザージャケットを重ね着し、ワックス仕上げのハットでしめた彼ら木こりの着こなしには、なぜか神聖(?)で永遠の匂いがします。

自分は、“アメリカをスタイリングしたら右に出る者のいない”ラルフ・ローレンが攻略できなかった(しなかった?)数少ない分野であるワーク系と共に、やはりいまだ誰にも攻略されていない木こり系(これも純粋なワーク系です)も、アメリカ的な最高のビジュアルのひとつだと認識しています。

だからこそ、偉そうに聞こえるかもしれないけれど、自分がやっています。自分のイメージで、そのカッコよさを現代に伝えたい。ほぼ100年近く前に、純粋に“作業”を目的として作られた服が今でも永遠の輝きを放つ。そして新しい生命、使命を吹き込まれ次の100年を生きる。なんて……。

自分的にこれも定番である“BROOKLYN GANG”にも通じる永遠性が見えます。(オオフチ)