昔デッドストックのデニムを探して田舎を車で回っていた頃、相当さびれた田舎町でヘンな店を発見しました。基本的には服屋しか立ち寄らないのですが、アンティーク屋や古くて面白そうな店にはついつい入ってしまいます。

その店は何屋かパッと見ではわからず、でもMR.PEANUTSのマークがあちこちに貼ってあります。車を停めて入ってみると、それは……、MR.PEANUTS屋でした。といってもMR.PEANUTSのアンティークやコレクティブルなどを売る店ではなく、PLANTERS社のMR.PEANUTS(食べるピーナッツ)を売る店だったのです。

中に入ると昔の計り(MR.PEANUTSU印入り)を使い、計り売りでピーナッツを売っていて、見た感じでは相当古い。聞いてみると1930年代頃からあるらしく、昔はみんなここでピーナッツを買っていたらしい。また、こういった店はアメリカ中にあったらしい。

さすがに古い店らしく、今まで見たこともない、相当なお値打ち物と思われる古いキャスト製の巨大なMR.PEANUTSのディスプレイをはじめ、店内はMR.PEANUTSUのコレクターだったら狂ってしまうほどの宝の宝庫。なぜ今までアンティーク屋に荒らされなかったのかが本当に奇跡です。

でも、こういった店を発見すると、そのままにしておきたくなってしまうんですよね。本当は店ごと欲しいのですが、この場所にこうして存在することに意味があると思ってしまう。古い物を探している人間がこんなことを言うのもおかしいのですが……。

今までにも、たとえばミシシッピーを回っているときに、ついついつまらなくなり、国道から外れていきなり農道に毛が生えたような脇道に入ってしばらく行くと、十字路の真ん中に、体裁から見て少なくとも1950年代には店じまいにしてそのままになっているようなGENERAL STORE(田舎のよろずや)を発見しました。
その店には、ソーダやタバコなんかの看板に混じってワークウエアの看板もたくさん打ち付けられており、それらがすべて錆び、店全体がかなりいい感じで茶色く風化していました。

その店に忍び込めば絶対に何かありそうだし、表に貼ってある看板だけでも少なく見積もって30枚くらいはある。もしくは地元の人をつかまえて持ち主の住所を聞き、交渉する事も出来たはず。でも、やっぱり止めました。そのままにしておくのが、今までも、そしてこれからもいいのでは、と感じたからです。

そういった理由もありますが、実はもうひとつの理由もあります。というのは、以前そんな感じで1970年代に閉めたままの洋品店を発見して、持ち主の家をなんとか探し当てて行ったとき、そこで見た光景がかなり強烈だったのです。

一部屋しかない狭いアパートに入ると、老婆がひとりでベッドに寝ていました。そして周りを見るとゴミの山。食べ終わった食べ物もそこら中に散乱していて、見るとウジ虫の大群……。身の回りの世話をしてくれる身寄りは誰もいないのでしょう。少しだけ会話を交わし、そしてお大事に、という感じでそこを去りました。それ以外に何もできませんでした。

と、いろいろありますが、実はセブンイレブンにて今日発見したSTADIUM PEANUTSからすべてははじまっています。(野球やフットボールなどの)STADIUMで観戦する時用のナッツなのか? と不審に思い、気が付けばレジに。

開けてみれば??? 袋には“殻付きのままローストして塩味がつけてある(RAOSTED IN-SHELL SALTED)”と書いてありますが……、それは本当でした。でも、殻ごとローストして中まで塩味が付くものでしょうか?
まずは、なぜか殻のまま食べてみました。でも、ちょっとおかしい。そして割って食べてみるとかすかに、本当にかすかに塩味がするけれど、ただの殻付きピーナッツとさして変わりません。そのくせ殻を割る手間はあるし、殻についている塩のせいで手は汚れるし。おまけにゴミまで出て、まったく意味がわかりません。??? (オオフチ)