アメリカにはダイナーと呼ばれる飯屋があります。日本で言えばなんでしょう、個人経営の小型ファミレスのようなものでしょうか? というか実際は普通の食堂ですね。

どこの町にもあり、ニューヨークではそこいらじゅうにあります。古くからある店もあれば改装した店もあるし、逆に新しい店は少ないですね。新規で開業出するレストランは時代を反映してか、もっとファンシーおよびグルメ路線をいくか、もしくはチェーン店が多いです。ということは将来的には絶滅する可能性は十分にありです。

ちょっと郊外や田舎に行くと、列車の客車をそのまま店として使った30~40年代風の古風なタイプや、左右対称デザインのバッキバキのアールデコ(懐かしくも遠い)様式のタイプもあったりで様々です。でも総じて言えるのはみんな古いということ。ちなみに僕がニューヨークに住み始めた80年代の後半には、マンハッタンやブルックリンに70年代の香りを濃厚に残したタイプがけっこうありました。

今回写真に収めた店は、マンハッタンの33St.と9thアベニューにあります。この店もいつかなくなりそうで、たまたま通りかかったので写真に収めてみました。ギャラクシーなデザインが印象的なこの店、2~3度入ったことがありますが、ダイナーの常(?)で味的に特筆できるものはありませんでした。

夕暮れになりネオンが目立つようになると、こういったダイナーはなんともフラッと入ってみたくなる雰囲気を醸し出します。そして実際に入ってみると、カップル客に混じって常連とおぼしきソロの老人たちがぽつんぽつんといたりして、それはそれでアメリカのひとつの絵だったりします。
(オオフチ)