E-Zと書いてEASY(イージー)と読みます。アメリカではよくある、音声優先でスペルを変えた、という感じですが、2000年前後からのPOST O’ALLSのラインナップにはE-Z~というモデルが次々とデビューしました。

E-Z Long Jacket、 E-Z Shirt、E-Z MASTER、E-Z SLIDERなどなど、アウターからシャツ、パンツまでさまざまなバリエーションが出ましたが、共通して言えることはどこか脱力モードが漂っているということ。

ご存知の通りPOST O’ALLSの製品は基本的に着込んでなんぼというか、洗うほど、着込むほどに表情が増してくるようにつくられています。この辺が普通の古着や新品の服と違うところで、立体的な方向へと時間の経過も含めたデザインがされているんですね。

しかし創立当時からこのポイントを守っているとたまには息抜きというか、そんな気分になったりもします。味の強いアイテムばかりでコーディネートしていると、気がつけばコテコテ。なので“さっぱりいこうよ”というモードになったりするんですね。

そこでE-Zシリーズです。もともとすべてのシームが巻き縫い、それも強力なインダストリアルストレングスのミシンでグイグイ巻くのがうちのウリのひとつでもありますが、E-Zシリーズに関しては逆にほとんど巻かず、シンプルに裏からロックミシンで縫われているだけ。その結果表から見る印象はかなりさっぱりとしています。

しかしそのE-Zシリーズも紆余曲折を経て、最新のE-Z MASTER NEUTRAL(ニュートラル)やE-ZCRUZというモデルなどは、“さっぱり”から発展して逆にステッチワークを加えてみたりしています。

写真はE-Z MASTER NEUTRAL SHORTで、ポケットのデザイン、レイアウトは初期のE-Z MASTERからそのまま継承されていますが、縫製仕様の変更、ウエストバンドの排除、また特徴でもあったサイドのZIP付きポケットまで排除されて、よりニュートラルな方向にリニューアルされています。

伝統的な(?)E-Zテイストも少しずつ変化していく、ということでよろしくお願いいたします。(オオフチ) 

P.S. 通勤の途中に発見したトラック。きれいなブルーにナイスなロゴデザイン、また1890年創業というのも気になります。