はじめてその人の写真を見たのは、まだ日本に住んでいた、たぶん1980年代の中頃。PARKER(万年筆メーカー)の広告に使われていたその写真を見たとき、それまで古いワーカーの写真を見ても、たいていは(資料としてしか)反応したことがなかった自分が、なぜかピピッときたのを覚えています。

その後渡米して、彼の写真を久しぶりに見たのが5~6年前。その木こりたちの写真を撮った人の名前-DARIUS KINSEY-を、SUNTRAPのアツシ先生に教えてもらったのが、再びのきっかけでした。早速2冊の写真集を手に入れ(クボちゃん、ありがとう)、その後すぐ友人分をまとめて仕入れ、配りました。

写真自体の素晴らしさはもちろんですが、彼らシアトル周辺の木こりの醸しだす雰囲気はなんともいい感じ。彼らの着ているヘビーなワークウエアと、どこか軽い着こなしが、うまく説明はできませんが、凄くいい。今世紀初頭のアメリカ北西部には、何か強力なマジックが働いていたような気がします。

ボトムスが11オンスアップの5ポケット、もしくはロガージーン(ペインター型で厚オンス・デニム+リベット)やキャンバスのWロガーパンツ、というのがまず決め手で、それら+主にプルオーバーのワークシャツ、そしてクルーザーやカバーオール、もしくはそれらの重ね着+クルーザーハット。サスペンダーは年代的にデフォルト(私的には鬼門ですが)と、一見ただの田舎風のカッコに見えますが、内容はまったく違うんですね。

ちなみに、ただの昔の田舎風の場合=マックスで8オンスの、デニムのオーバーオールもしくはペインターパンツ(安物)+シャンブレーシャツ(安物)+カバーオール(安物)か、よそ行きの場合は背広のジャケット、そしてキャスケット。冬はテキトーなデザインの再生ウールのジャケットを羽織る、といった感じでしょうか。

さらに興味のありそうな方は、当ブログ2006年11月“木こり”、2007年9月“木こり&Beyond…”をご参照ください。(オオフチ)