Workの道 Vol.1 ~BLACKBEAR(1910~20s)
木こり系のカバーオールといえば、BLACKBEAR。木こりの本場、ワシントン州はシアトルのローカルブランドで、先日紹介したKinseyの写真集にも頻繁に登場します。
歴史的に西側のブランドは数々の名作オーバーオールを輩出してきましたが、カバーオールジャケットに関してはなぜか伝統的に不作。そんな中で、印象に残っているのがシアトルのBLACKBEAR、サンフランシスコの名門Can’t Bust’emですかね。
古着は雰囲気、デザイン、生地等々と気に入って試着しても、けっこう古いものはパターンに独特なクセのある場合もあり、その結果、着る人を選んだりもします。このBLACKBEARのカバーオールは、その点では相当ハードルが高い。そう、なかなかさらっと似合ってくれません。
クセの強い肩線をもったパターンに加えて、似合うレンジを限定しそうなデザイン、ポケットのレイアウトなど、ネガティブな要素にも拍車がかかり、ほんと、以前USブログに出したハリソン・フォード氏(下の写真)のようにフツーに似合う人はあまり見たことがない。もちろん、私の場合はフツーにヤバいです。そこがまた古着のおもしろさであり、難しさといえますが……。
でも接近した第一&第二ボタン、大判のロゴ入りドーナツボタンのデザインやその質感、SWEET-ORR社のものとはまた違ったころがり具合の左胸ポケットなど、五感を刺激するデザイン、ディテールが満載。幾多のデメリットを精算しても、まだまだお釣りがくるとみました。(オオフチ)