佳作の味 Vol.3
長年なんとなく気になっていて、でも決定的な巡り会わせもなく、しかし焦ることもないかわりに、思う気持ちは淡々と持続している。古着のカバーオールに関しても、そういったものはいくつかあります。佳作の中の佳作といえるものたちが……。
例えばKEY IMPERIAL。パッと見はBLUEBELL系に代表される、勤勉そうで平凡な仕上がり。でも一応はインディゴっぽく色落ちする60sくらいのデニム生地+KEYのロゴ入り金ボタン+胸ポケットを斜めに走るお馴染みのグリーンのテープ、なんともいえない草色に退色していくグリーン綿糸のバータック、などのすべての条件が揃うと、これはもう、なかなかいいんですね。KEY独自の世界が広がっています。
写真のものはそれらの条件をすべてクリアしています。が、サイズやその他の仕様が微妙に自分的にはしっくりとこないので残念ながら定番、というレベルには達していません。
また、見たことはありませんが、このロング丈でKEYお馴染みのヘリンボーン生地のものがあったらグリーンのテープ、バータックが映えて良さそう……。などと、余計な妄想まで膨らみます。
でも、その気になって真剣に探せば、サイズや条件の合うものがすぐに見つかるような気もします。が、そうもせずにオーガニックな出会いを待っているところも味なんでしょうか。と、何が言いたいのかよくわかっていませんが、これも佳作の味、ということで。(オオフチ)