待ちに待った、20FWのゴートスキンのクルーザーのサンプルが上がってきました。

 

まずは、ブラウンバージョン。全体のムードは、以前アメリカで作っていたものよりも重厚…パッと見では分かりませんが革とライニングの間に超薄手のインシュレーションを仕込んだ為だと思われます。その厚み感が新鮮な感じもするのですが、着心地を優先して量産時は革を気持ち薄く漉いてもらおうと思っています。

インシュレーションが入っているおかげで、革ジャン特有の表皮が冷えると身体も冷える…というデメリットが改良されるはず…テクノロジーの力ですね。

革質も、アメリカで作っていた時と比べて向上しています。今回は原皮のチョイス、厚み、なめし方、染め方、色出しなど、全てを指定して革の制作からお願いしています。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ゴートスキンは牛革と違って型押しをしないので、革の表情は天然なものとなっています。

ブラックバージョン。

以前と同じく、ブラックにはブラックのライニングが付きます。共にコットン100%のポプリンです。

写真では分かりにくいですが、今回の初回ロットの黒革は茶芯(最初に茶に染めてから黒を吹き付ける)という、日本の1950年代頃の革ジャンなどに使われていた手法で染色しています。そのため黒い色味に深みがあり、長年着込んでいくと黒の下から茶色が出てくる…というものです。最近はこのやり方を行う国産メーカーも出てきているようですが、私は日本で革製品を作るならば絶対に茶芯を再現してみたい、とずっと思っていたんですね。茶芯のせいで、ボタンホールなど革の断面が見えるところは茶色が少々うるさく見えますが…これは味という事で(笑)。何ごとも大量生産ベースの、古き良きアメリカ製には無い日本の文化なんですね。

このゴートスキンのクルーザーも然りですが、日本でものを作ることになってから、今までアメリカでは実現不可能だったことが着々と可能になっています!(オオフチ)