Post O’Allsでは、カバーオールだけでなくGジャンも結構古くから作っています。この一枚は、1990年代の終わり頃にデビューしたランチェロというモデル。基本ボディは1920~30年代はじめ頃のリーバイスのファーストをベースとして、ポケットのディテールは1930年代のストロングホールドをフュージョンしたものでした。

素材的には、デニム〜シャンブレー〜パラカ調のインディゴ生地〜シャツ生地などなど、様々な素材で展開していました。この個体はシャツオンスのブラックxホワイトのコームストライプで、インナーやミッドレイヤーとして着るにもいい感じでした。

低い位置にセットされたポケットが、レイドバックしたムードを醸し出しています。ボタンはメタルボタンや、このような当時のうちのシャツに使っていた、猫目のシェルボタンもありました。

この個体は恐らく2000年前後頃の物で、長めの着丈がそれを物語っています。オリジナルバージョンは、もう少し短かったように記憶しています。

これがランチェロ2・・・2000年代中頃でしょうか。ポケットが、Leeカウボーイのようなドングリ型に変更されていますが、ボディその他は初代ランチェロの戦前のリーバイス的なムードをキープしています。

この個体は、ブラウンダックにコットンフランネルのライニング。Post O’Allsでは比較的珍しい、コーデュロイの襟。この他に、ライニング無しのバージョンも色々な素材で展開していました。

ポケットディテールは基本 Leeカウボーイですが、全体の仕上がりはそうでもない・・・のが、Post O’Allsらしいところだと思います。

バックベルトにリベットが3つ打たれるところは、ストロングホールド調ですね。

最近では、2019FWにカフスがワーク寄りに変更されたエル・ランチェロ2をリリースしました。この個体は、8オンスデニム。

まだまだ他にもバリエーションはあるのですが、そういうわけでGジャンに関しては思い入れとは別に、今後も純粋に着ることを前提としてインナー〜ミッドレイヤー〜アウターとボーダーを跨いだ方向性をキープしていこうと考えています。(オオフチ)