気がつけば、ここ最近登板頻度が高いのがこのOK40。POST O’ALLSのカバーオールの中でも数少ない2ポケット型ですが、写真はその系譜の最新バージョンとなります。

古着の世界でも2ポケットのカバーオールは比較的数少なく、バリエーションとしては古くから存在していましたが、戦前物の多くは廉価版という位置付けでした。
しかし第二次大戦が始まると業界は政府からの物資節約のための統制を受け、各メーカーはその基準を満たす、ディテールを簡略化したシンプルなカバーオールの製造を余儀なくされました。
その結果、戦争が進むにつれ様々なブランドが2ポケット型に代表される簡素化されたカバーオールをリリースすることになったんですね。

これはOK40のベースとなった、OSHKOSHの大戦中のものになります。

襟は戦前モデルから受け継いだ、30年代の終わり頃には業界でも主流となった開襟型。この写真のものはトップ無しのフロント4つボタンですが、同じOSHKOSH製でもトップも含めて4つボタンのものもあります。
ちなみに大戦前頃の4つポケットのカバーオールは大体フロントボタンは5つが多いですが、物資統制下のものは4つボタンになっているものもあります。

ボタンは戦時中にしては贅沢(?)にも戦前から使われていたブラス製の大判ロゴ入りスイベル(首振り)タイプが使われています。
通常はボタンも統制に合わせてシンプルなオープントップ(いわゆるドーナツ)のスチール製のものやロゴなしの凡庸タイプ、また材質をジンクなどプライオリティの低いものに変更したりするケースも多いです。

ポケットは下2個のみでプレーンなホームベース型×2。これはお決まりのパターンというか、要は通常モデルの上ポケットを取っただけですが。
メーカーやモデルによっては上左+下右だけの2ポケットとかイレギュラーな場合もありますが、通常はこのパターンですね。

カフスも、この時期のものはよりシンプルなデザインへ変更されている場合も多いですが、このOSHKOSHの場合、戦前から使われているエンジニア・カフス(ラッパ付きのワーク手袋の上から被せ易い、一見豪華に見えるタイプ)を流用しています。
と、一言で大戦モデルといっても、メーカーや時期の違いによって様々なバリエーションがあり、一つのジャンルとして成立するくらいの深さがありますね。
私の場合、カバーオールは2ポケットも含めとりあえずいろいろなタイプが好きですが、そんな中にはよく着るものとそうでないもの、
さらにその中には着そうだけど意外と着ないもの、また着なさそうだけど意外に着るものなど、色々とあります(?)。
2ポケットは、今まではポジション的には着そうだけど意外と着ない、もしくはあまり着そうもないけど意外と着る、というパターンが多い気がします。
しかし、ここに来てなんとなく着る機会が増えそうな予感がしてきました(???)。
現在、2014SSのラインナップからは外しているんですが・・・、入れてみますか(自問)?

(オオフチ)
P.S.

なかなか懐かしい物が出てきました。 多分・・・、10年くらい前のものでしょうか?

このバッグはたしか先輩に連れて行ってもらった渋谷のSPEC’Sという古着屋さんで買った、70s頃のREI〜COOPかどこかのバッグを元ネタにした記憶がありますね・・・。
いいお店でしたよね。