ここ数年、ストリームライン (STREAMLINE=流線型)なフォントが気になっています。確かフォント自体の名前もSTREAMLINEだったような・・・検索してみると、今はたくさんのバリエーションがあるようです。

写真のような斜体のストリームラインなフォントがアメリカで流行ったのは、1940年代から50年代始めくらいでしょうか?ちょうどマシンエイジとデコの最終期に重なる感じですかね・・・当時は様々なものが流線型なデザインだったわけですね。

正体のものは1930年代ころから見たことがあるような気がしますが、斜体に限って言えば1940年代に入ってからのような気がします。どちらも好きなんですけど、ここのところは斜体が気分なんですね。

このフォントを最初に見たのは・・・子供の頃に見た日本の電化製品?・・・日立かナショナルかなんかのロゴだったような気がします。昔のアメリカ製品、ウエスティングハウスかなにかのロゴを真似たんでしょうかね。

斜がかかってる割にユルいスピード感があるというか・・・字面にもよりますが、絵になりますよね。当時の服や風俗なども含めたムードをすごく反映しているように感じますね。

時代のムードとかデザイン様式は、いつも急ではなく、気がつけば変わっていったように思われます。例えば50sと一言で言っても1940年代に近い頃と1960年代に近い頃では、全く ムードが 違いますよね。

服で言えば50sの初め頃は、近代史上おそらく最もフィットが大きい40sのハリウッドスタイルの流れでシルエットも誇張されていた・・・のが、1960年代に近づくにつれて徐々に洗練されていき、1959年頃にはクールでシンプル、フィットもボディラインに沿った感じへと変わっていきます。カラーパレットもモノトーンっぽくなっていくように思われます。

そんな感じで、世の中のムードの変化に応じて 新たなフォントも次々と出て来たわけですね。そう考えると20世紀はまさにフォント天国・・・でも、ある意味今の方がファンキーかもですよね・・・過去の様々な時代のフォントが同時に使われていますもんね。

服に関しても、過去の様々なスタイルやアイデアが一堂に集結しているのが現代ですよね・・・そんな中から新しいものが生まれていくわけですね。

ぼんやりとですが、これからは服の流行に関しては以前のように一斉に変わることはあまりなさそうな気がしています。そして、人と同じような格好をすることが気にならなくなるような気もしています。

それも時代、これも時代・・・全てはムード次第というか。これからも時代はテクノロジーと気分で動いていくんでしょうね。

とまあ、ですが・・・PITTIで最初にフィレンツェに行った時には驚きました。街中にストリームライン調のフォントの多いこと・・・1950年代頃に書かれたものだと思われますが、 街の太古なムードと摩擦しながら、いい感じにシンクロしていました。イタリア人ってストリームラインが好きなんでしょうか?そういえば、古いイタ車のエンブレムとかエスプレッソマシンのロゴなどでも見たことがあるような気も・・・しますよね?
(オオフチ)

P.S. 1

うちも過去にちらほら、ストリームラインな時期がありました。


P.S. 2

夕べのオヤジ飲み会の様子です。