C-POSTというモデルは、なぜかとても変遷の多いモデルです。もともとはスクエアカットの裾+サイドスリット、そして胸にはクルーザーポケットを装備したデザインで、これは60〜70S頃の民間もののCPOシャツの着方のアイデアにヒントを得たものでした。デザイン的には、クルーザーのボディにクルーザーベストのポケットを載せてバックを一重にした、シャツとアウターの中間的な感じ。言い方を変えれば初期クルーザーシャツを前開きにした感じとも言えますかね。

その後、クルーザー自体のデザイン変更に伴って、ポケットのシェイプを角型に改訂したものが確かC-POST2でした。このモデルは今でもC-POST-Rとしてたまにカムバック、台襟にチンストラップが付いた改訂版が最近でも出ています。

そしてC-POST3からは所謂軍物の1ポケットのCPOシャツに近づけたものとなり、ここでシャツテールとなり、さらにボディのパターンがシャツ仕様になりました。その後丸ポケットや角ポケット、チンスト付き/無しのバリエーションが出たりして、C-POST3~6はここしばらくの定番“シャツ”となっていました。

そして今季デビューのC-POST7は、シャツ設定であることにかわりはありませんが、オーバーシャツとしての性格をもう一度クローズアップした、シャツとアウターの中間的な位置付けとなりました。C-POST3~6までのボディをベースにサイドのガシットを排除、さら重ね着し易いようにパターンをやデザイン調整してあります。ちなみにうちの工場の連中はShirtと Jacketの中間なので、”Shacket”と呼んでいます…くだらなくてすみません。

今季のC-POST7の特徴は、気温の設定範囲が広いこと。まずは最もライトなバージョンから…


一見するとただの綿ブロードクロスのシャツですが、実は共地の裏地がついています。そのため見た目のボリューム/存在感および保温性がアップ、よく見ればやはりただの一重には見えない仕上がりとなっています。


その次は表が薄手のコットンツイルで、裏が薄手のコットンフランネルのバージョン。80〜90sのアメリカのワーカーが好んで着た、アウター兼用の冬用ワークシャツのような仕様というか。


そして表がウールフランネルで裏が綿ブロードクロス。薄手セーター等の上にも重ね易く、さらに防風の意味もある仕様となっています。写真にはありませんが、この逆バージョンで表がビンテージキャリコで裏がウールフランネルのバージョンもあります。


そしてもっとも厚いものが、このMA-1等に使われている中綿の最も薄いものをサンドィッチしたバージョンになります。シェルはナイロンタフタのみの設定となっています。

まあ、元々シャツの上に着るシャツとしての性格を持ってデビューしたモデル故、ある意味先祖帰りした感じですかね。一時期グレた息子/娘がしばらく寄り道をして、その後更生した感じというか… 
(オオフチ)