ずっとワークウエアを作り続けている私が言うのも変ですが・・・最近カバーオールへと気持ちが向かっています。それも久々に3ポケットのカバーオールが気になっているようです。

Post O’Allsの3ポケットのカバーオールの最初のモデルは#1101・・・これはうちのジャケットとしても最初の品番です。デザイン的にはセットインスリーブで台襟付き、 1ボタンの短い剣先型チンスト付きで 胸ポケットはかなり古いCant Bust’EMのような長めのウォッチポケットでラベルなし・・・そして下ポケットはホームベース型。#1102と比べるとAラインもなく、1910〜20sっぽいプレーンな印象でした。

その次が#1106。年代的には1990年代の半ばくらい。台襟なしの2ピースのピーターパンカラー、下辺が直線でラベルなしの小型ウォッチポケット、正方形の下ポケットでセットインスリーブのボックス型シルエット。年代的には1910sっぽいムードですが、ほのかにビンテージフレンチ/ユーロなテイストが香り、当時は気に入って毎日着ていたことを覚えています。Post O’Allsのデニムのカバーオールでは最初のチャコールステッチのみの展開で、他にナチュラル、ネービー、ブラック、ブラウンなどのキャンバス、インディゴチェックやギンガムチェックのシャンブレーなどで展開していました。

そして約10年のブランクの後、2005年頃にTRONというモデルがデビューしました。これはPost O’Allsが私のディレクションによって大幅な軌道修正に入った時期の最初のカバーオールですね。セットインでチンスト&台襟付き(台襟一体型もあったと思います)、1102と同様のホームベース型下ポケット&胸ポケットでラベル付き。さらに右胸には内ポケットも付いていました。時期的に入魂のデザインだったので、サンプルを何枚も上げた記憶があります。

それから少しして、SHORTBEAR。これは今では定番となったSWEETBEARのややショート丈バージョンとしてデビューしました。セットインスリーブ、右胸ポケットはなしでそれ以外のポケットはSWEETBEARと同じようなレイアウトでした。そういえばこのモデルもしばらく欠番ですね・・・あとSWEETBEARのバリエーションではSWEETSTOKERという襟なしのショートジャケットもありました。これも欠番ですが、またやりたくなってきましたね。

そして・・・確かほぼ同じ頃にCARLOS 3。これは1102タイプの下側2つポケット+低めにセットした小さな右ポケット、という変則的な3ポケットのレイアウト。そして台襟と一体化したチンスト付きという、古着ではありそうで無い(懐かしいフレーズです)Post O’Allsらしいデザインと言えますね。全体のムードはほのかにブリティッシュな香りをふりかけてフィニッシュされています。

という感じですが、実は今回のカバーオール熱は少し前にSWEETBEARの3ポケットが突然頭に浮かんだ時から始まりました。絵にするとこんな感じでしょうか・・・と、今気付きましたが、そういえば2000年代後半からの定番であったMATTALINI 2も3ポケット、さらに最近のOK43やPOST41も変則的3ポケット・・・う〜む、気付いてなかったのは私だけ、ですが過去を振り返ってみると3ポケットに傾く時は何かの転機のような気もしますね・・・いや、いつも転機なのかもしれませんね(笑)。
(オオフチ)