ニューヨークに住んでいた最後の頃は、もう以前のように古着を探す事はなく…その代わりに古いライターを探していました。今思い返すと、進駐軍が日本からアメリカへ持ち帰った和物ライターあたりから始まったような気がします。

私は昔から人があまり集めていないものに惹かれる習性があり、自分が集めなければ誰が集める?という感じで…ビンテージのワークウエアを集め始めた頃の様に、気が付けば結構な量が集まっていきました。

和物といっても、スカジャンなどと同様に日本よりもアメリカの方が出る、というのもツボでした。後でわかった事ですが、第二次大戦〜朝鮮戦争の退役軍人が亡くなっていくタイミングだったのでしょうか…その年代のものが多く出てきました。

最初のきっかけは、もうはっきり覚えていませんが…ブランドを始める前、デッドストックを探して田舎を回っていた頃にアンティーク屋でたまに見かけた、日本地図が描かれたカラフルなエナメルのライター…よくシガレットケースとセットで箱入りで売られていたもの…を、先輩のコージさんが以前やっていたお店=EXTRAで久々に見て、なんとなく気になり始めたのがきっかけだったような気もします。

今思えば、10年くらい前から進駐軍の米兵が撮影した古い日本の写真を集めたりしていた事も伏線になっていたような気がします。1940年代の第二次大戦から、1960年代のベトナム戦争の頃までの横須賀、横浜、福生、佐世保、などなど…日本人の知らない、米兵の目線で見た楽しそうな日本がひろがっているんですね。

集め始めると、ブランドも絵柄も色合いも、無数のバリエーションがあることに気がつきました。懐かしい、昔の駄菓子屋の商品のようなキッチュで東洋的な色合い…20代始めにビンテージのスカジャンに惹かれた頃を思い出しました。

そんな中で、まずはビジュアル的にビビっときた色、柄などから集めていったのだと思います。(オオフチ)