以前当ブログで紹介した、CARLOSのブルーデニムのものが出てきました。

2005年当時のカタログでは右側に写っています。

写真では左下ポケット上部にラベルが見えますが、今回の一枚と以前紹介したフィッシャーストライプ(ヘリンボーンデニム)には付いていません。また、ブルーデニムはポケットの上端のステッチがブラックになっています。よりすっきりと見せたかったのでしょうか…ポケット生地の横使いはフィッシャーストライプと同様です。

細かく見ていくと、カフスのカーブした頂点部の形状に微妙な違いが見られます。デニムのものが尖っているのに対して、フィッシャーストライプのものは角を落としています。

ネックラベルもデニムは白 x ネービーですが、フィッシャーストライプは淡いグリーン x ネービー。

ダブルニードルのチェーンステッチの下糸の色も、デニムがグリーン x レッドに対して、フィッシャーストライプは白 x レッドです。この時期は工場長に下糸の色のアレンジを任せていたので、時期によって色々とあるのが面白いですね。その後、現在のティファニーブルーに統一しました。

デニムのものは、右見返し裏の下部にグリーンのラベルが付いていました。

そして、2006年には#1181 CARLOS 2へと発展しました。

何が変わったかと言えば…ポケットがホームベース型から正方形になり、さらに小さなマッチポケットが右ポケットの上部に追加されています。襟も台襟の無いオープンカラーになりました。生地使いもキャンバスのナチュラル、ストーン、ネービーの3色でデニムは無し、さらにボタンはメタルではなくて樹脂製のBDUボタンを採用しているので、カバーオールというよりも腰丈のカジュアルジャケットっぽいムードを漂わせていますね。

そして、その後2008年に#1190 CARLOS 3に発展します。ポケットのレイアウトはそのままで、形状が再びホームベース型になり、襟の形がTRONの様な台襟一体化でチンスト付きとなりました。そしてメタルボタンが復活しています。生地はヘリンボーンデニム、キャバリーツイルやウィップコードなどのウール系、その他にポプリンのWプライ、イギリス製のモールスキンを使ったバージョンなど、典型的なカバーオールでは無い生地使いがほとんどでした。

CARALOS系に関しては、このバージョン3で一応完成形というか、その後の発展は止まっています。最終的にCAROS 3は、カバーオールではありますが印象的にはどことなく英国/大人っぽいアウターとしてなんとなく成立している、という有りそうで無いモデルとなりました。

推測ですが、CARLOS 2とCARLOS 3は、90年代中頃の#1107から始まるPost O’Allsの2ポケットカバーオールの苦戦の歴史を踏まえ、小さなマッチポケットを追加する事(厳密には3ポケットになりますが)や生地使い、ボタンやステッチなどの化粧などによって、一般のお客様に2ポケットをプロモートし易い下地作りをしていたような気がします。その甲斐あってか、展示会では好評価をいただいたと記憶しています。そのくらい、当時は2ポケットのカバーオールは売りにくかったんですね。

 

そんな中、再び純粋な2ポケットのカバーオールとして2007年に#1186 OK 40が発売され、その後のPOST 40や SB40などを展開していく先駆けになるんですね。

OK 40は、第二次大戦中のOSH KOSHのカバーオールをモチーフにしています(OK=OshKosh)。これがOSH KOSHの大戦ものです。フロントボタンは、このサンプルのようにトップなしの4ボタンと、トップを含めた4ボタン(=OK 40も同様)のバリエーションがあります。

(オオフチ)