アメリカの、BOWERS(バウアーズ)というブランドのライターを紹介したいと思います。BOWERSで最も有名なのは、恐らくトレンチライターと呼ばれる筒型のミリタリー系のライターではないでしょうか。以下の写真の物もトレンチライターではありますが、通常の丸ではなく平べったい筒状のモデルで、1930年代にデビューした後発モデルになります。カバーにチェック状に入った模様や、デコ/ストリームラインな感じに3つ並んだ空気取り入れ用のスリットがカッコいいと思います。

空気取り入れ用スリットは初期の物はこのように3つですが、その後2つになったり丸い小穴 x 8個などに変更されていきます。この個体はメッキなしのブラス色のバージョンになります。

これは、フリップトップ(ジッポのように蓋を開けて着火するタイプ)のNo.10というモデル。第二次大戦後にリリースされたモデルで、ジッポよりも少し小さいコンパクトなデザイン。最初期型は、写真の物のようにリッド(蓋)に3本のデコっぽい線がぐるりと回り込むように入っています。

その次のモデル。リッドの線は3本ですが、蓋を開けると空気取り入れ用の穴の入れ方が三角形に変更されています。

その次。リッドの線が2本になりました。

その次。リッドの線は前面のみの3本に変更され、フリントホイール(ヤスリ)を止めるネジがリベットに変更されました。この個体はブラス色ですが、通常はメッキ仕上げになります。

その後。リッド前面の3本線に加え、ケース側にも1本線が入りました。これが最終型で、この後インサイドユニットが取り外しできるアルミボディのSTORM MASTERというモデルに移行していきます。

今となっては歴史に埋もれたライターではありますが、なかなかの佳作だと思います。(オオフチ)