PAYDAY、1930年頃

PAYDAY=給料日というブランド名のカバーオールジャケットです。日本語の感覚で考えると、作業着の胸ラベルに母国語=漢字で “給料日”と書かれていたらけっこうヘビーですが、英語、それもアメリカであれば軽く思えてくるから不思議です。

写真の二枚は、作られた年代も1930年頃/1930年代前半ととなり同士で、細かい縫製仕様の変更以外では右胸ポケットにフラップが付き、下ポケットの下半分に補強が入るという進化が相違点と言えます。左胸ポケットにPAYDAYのラベルが付くのは1930年頃からです。

ワークウエアにおいて、見えるところにラベルやロゴを縫い付けるという習慣は大体この年代頃から一般化して、実はこれがビジュアル的に他国の製品とは一線を引くポイントですよね。消費者のブランドに対するプライドと宣伝効果、時にはデザイン効果をも同時に満たすという、アメリカ的なアイデア。現代にも脈々と受け継がれています。(オオフチ)


PAYDAY、1930年代初期

P.S. 話は急カーブですが、先日飛行機の中で見た‘71 年の『ダイアモンドは永遠に』のジェームズ・ボンドはカッコよかったです。ヨーロピアンブランドのエレガンスとアメリカ製品のダサさがその魅力を競っていた(私見です)当時において、まるで違ったベクトルにもかかわらずオリジナルにカッコよく見えるショーン・コネリーの、イギリス製のテーラーメイドと思われるエレガント+適度にスポーティ、そしてハイクォリティなエグさも備えた着こなし。+でソフトに四角い、ソール薄めのブリティッシュカットなシューズもいい感じで、久々にヤラれました。