展示会前に帰国して・・・なんだかんだ、あと数日で帰米します。いつも通り2週間ちょっとの滞在でしたが、気が付けば今回も沢山のインスピレーションがありました。
その中でも強力だったものを2つ。

DIANA VREELANDという女性ファッション編集者の伝記的な映画。経歴的には1937年から1962年までHARPER’S BAZAR、そして1962年からはVOGUE。晩年にはNYのメトロポリタン美術館衣装研究所の顧問と、ファッションとともに歩んだ人生。
なにが感動的かといえば彼女の存在。功績の数々は映画の中でさらっと紹介されていきますが、私的にはなんとなく見たことのあるものも多く、また時代の匂いもそれなりにですが、理解できます。
現代の、全てがコンビニというか、結果的に食べ物なども含めて、マス向けに平等化してしまったファッションや文化の中で育った世代の感覚からすると理解しにくいかもですが、ファッションを含めた文化を独自に創造、”提案”してきた彼女の口から出た”ファッションとは生活も含めたスタイルだ。そしてそれは日々少しずつ変化していく”(勝手に私が要約しています)という映画中の言葉は、図々しい限りですが私の考えとまったく同じ! なのでびっくりしてしまいました。
モードとかオリジナル、もしくはマーケティングどうたらなどと謳いながら、単なるマスレベルのビジネスマシーンになっている現代の多くのファッションやファッション雑誌の中で、彼女の言葉はストレートにずしんと響きます。ファッションは感動的で素晴らしいものだと、改めて認識させてくれたこの映画にとても感謝しました。

河原 温=ON KAWARA 1952-1956という本。旧知の友人が貸してくれた本ですが・・・、なんといえばいいのかわかりませんが、気になるんですね。1960年代からNYに住み、その後カレンダーを描き続けるというアートで有名になった人らしいですが、その彼がまだ日本に住んでいた頃の作品を集めた物。著作権の問題もあると思うので内容は紹介しませんが、チャンスがあれば見てみてください。ちなみに私は気になって何回も見てしまうんですが、いまだ何もわかった気がしません。

(オオフチ)