個人的にも好きで、当時はかなりの頻度で登板していた#1106。このジャケットをデザインした時のムードは…ちょっとフランス調なフレーバーをもちつつもアメリカ、ディテールは極力シンプルに…という感じだったと想像できます。全体のフィットは肩線の丸い、ややドロップショルダー+ボックス気味のシルエット。

大きくカーブし、さらにバックの真ん中で切り返された2ピースで代襟無し+ワイドスプレッド気味のカラー。古いヨーロッパの作業用、野外用ジャケットなどに多く見られるディテールですが、アメリカ物でも黎明期のもの、例えば古いSWEET-ORRなどに見られるディテール。

ベーシックな3ポケットながらウォッチポケットの形状でややバランスを崩し、さらに低くレイアウトすることによって#1101とはまた違ったイメージをかもしています。

#1101と同じデザインのカフ。本来ならば開口部のバータックをもう少し過ぎたところで止まって欲しいWのチェーンステッチですが、…この頃はまだ徹底されてないようですね。

ブルーデニムバージョン。このSWIFT製10オンスデニムと、同時期に出ていたインディゴキャンバスの2素材は共にチャコールステッチで縫われていたのを覚えています。Post O’Alls初のオールチャコールステッチ?

これは#1106のバナナカラー(と呼んでいました)バージョンで、#1109というモデル。囚人服のようにも、また当時のアルマーニのジャケットのようにも見えますね。

見ての通り、詰め襟というよりは、どちらかと言えばウエイター用のジャケットの襟をバナナ化させた感じですね。

他にもまだまだ面白いものが出てきましたので、そのうち追って報告したいと思います。
(オオフチ)

P.S.  うちの工場の街の港のそばに、古いSINGERミシンの工場が残っています。

気まぐれ撮影by: Roberto(うちの工場の裁断主任)