前回まで大戦中に作られたカバーオールを3枚見てきましたが、“大戦中“というカテゴリーがあるのは古着の世界だけでなく他にもあり・・・今回はライターを紹介してみたいと思います。

ライターの場合、まずケースや機構部の素材であるブラス(真鍮)が統制されたようで、素材を可能な限りスチール(鉄)など他の素材に代替えせざるを得なくなったようです。

民間向けよりも兵士向けの生産を優先する状況のメーカーの場合、戦時色を反映した仕上がりの製品も多く生産されたようです。この3つのライターは大戦中に作られたRONSON製で、RONSONはニュージャージー州ニューアークにあった、戦前のアメリカを代表するライターメーカーでした。古着で言えばARROW製のドレスシャツのようなポジション(=中の上〜)でしょうか。

エアフォースのスター印。戦闘機のようですね・・・


ケース材がスチールで表面にメッキを施さない場合は塗料を吹き付けたようですが、戦時下のムードのせいかミリタリー&インダストリアル系な色目の塗料が多かったようです。ジッポーの場合はスチールケースに黒の結晶塗装が有名ですかね。

戦後の平常時に戻った後の姿。戦後は戦勝ムードというか、服も含めて様々なジャンルで浮かれたデザインの製品が出て来たように思います。私は大戦を境にアメリカのムード、そして様々なメーカーの製品の仕上がりが大きく変わったと思っています。そしてそのギャップが大戦中・・・なかなか深いジャンルかもですね。下は同ライターの当時の広告になります。
(オオフチ)