このカバーオールも、帰国後に日本で手に入れました。

パッと見、?⁇…そう、ポケットが無いんです。ポケットを付ける際のガイドにするマーキング穴も、無い…という事は、始めからポケットを付けるつもりが無かったか、なんらかの事情でマーキングされなかったかのいずれかでしょうか。

フロントボタンも、無い…その代わり、ベルクロが付いています。ベルクロが縫われている糸は他の部分で使われている縫製糸と酷似しています。しかし、ボタン側のマーキング穴は付けられています。ボタンを付ける可能性はあったという事でしょうか?

カフスにはボタンもベルクロも付かず、マーキング穴もありません。

物自体は1970年代頃のJ.C. Penney製。通常はBIG MACのボタンが付けられて売られているものでしょう。表地は当時最新?の綿ポリデニムで、ライニングは俗に言う縫製工場のフロアーの糸屑の寄せ集め?のブランケット。

ディテールが何も無い分、襟やボディに目がいきます…襟はなかなか良い形をしています。パターンもアメリカのワークウェアらしく、力強くきれいな撫で肩の肩線を持っています。

それにしても、どのような経緯でこの一枚が出来たのでしょうか?

考えられるのは…

 

1)この一枚を作っていた縫製工場で働いていた人による改造品

2)なんらかの事情で工場から出た未完成品に、誰かがベルクロを縫い付けた

3)プロトタイプ

 

こんな感じでしょうか?仮にプロトタイプだとすると、ポケットやボタンなどフロントの引っ掛かるものが邪魔な職業用だったのでしょうか…それとも、このボディをベースに何か新しいデザインを考える為のたたき台だったのでしょうか?

 

と、オマケでこんな事を考える楽しみも付いてくる、お茶目なカバーオールです。(オオフチ)