アメリカンシステム
交差点を抜けるとき左の視界に車が!? とっさに思いっきりブレーキを踏んだ。
相手もブレーキを踏んだ。が間に合わず、すべてがスローモーションを第3者的に見ているような出来事でした。相手側が一時停止をしなかったための接触事故でした。
僕のスピードは出ていても35キロ。結果的には大した事故ではなく、車のダメージはフロントバンパーをやられた程度。相手はフロントタイアがバーストと多少のボディダメージ。
ぶつかった瞬間、僕は相手をしっかり見ていました。車を降り「何つっこんでんだよ」と言ったら、「ちゃんとストップサイン止まったよ」と一言。10秒前に自分でやってることすら覚えていない黒人女性。
「止まったんなら何で俺の車はお前の車にぶっついてんだよ」と言ったら、「止まろうと思った」と言い直していました。工場まであと3分という一角でまったく面倒なことになっちゃいました。とりあえず相手に警察を呼んでもらい事情聴取。
アメリカではこういう事故の場合、警官がレポートを書くだけ。そこでどっちが悪いとはならない。ただ、明らかに相手の過失事故なので僕が警察に行って証言すれば相手に一時停止を怠ったチケットを切ることもできると言うが、それも面倒なのでしなかった。後日警察に行きポリスレポートを5ドルで買う。
そのレポートを自分の保険会社に送り、あとは保険会社がすべてやってくれる。保険会社から最初に聞かれることは「怪我はなかったか?」ということ。低速でぶっついているから五体満足。怪我しているところはどこもない。
ビックリしたのは、ポリスレポートが発行されてから数日して手紙が来る来る。差出人は弁護士。この3日間で4通も。読んでみると「怪我はないか? 仕事はできるのか?」とか、一見正義感あふれる文面だけど、狙っているところが分かりやすい。まるで病院にいって怪我人にふりをしろと言わんばか
ここで僕が「あ~首が痛い」とか言い出したらよろこぶんだろうなと思うけど、そこまでチャンスを狙っているアメリカ人にはなれない。僕の知っていたアメリカ人で、それで生活をしている人がいる。外に出ると松葉杖。車のナンバーも身体障害者表記だから、いつでもどこでも車が停められる。でも週末のクラブでは踊る。ちゃんと枕して寝れるんか? とも思うが、人は人。
何人かのアメリカ人に相談したら「何のために保険代をはらっているの」ときかれた。そういうことか、とも思ったけど、やっぱりそれはなかなかできる技じゃないですね。(カツ)
(*今回の写真は文と関係がありません。手書きで会社名を書いたデリバリー用のトラックです。食料品を扱っている会社ですが、鮮度を疑う仕上がりです)