久しぶりの釣り。
前回の日本滞在時に親父と弟とで赤城、大沼のワカサギ釣りに行きました。この時期ならではの穴釣り。最後にしたのは小学生のときですから、もうかれこれ35年前のことになります。何度かは来ているところです。

ワカサギと言ったら簡単に釣れるレジャー感覚の高い釣りです。でも赤城の釣りは難しいよと弟はいいます。ワカサギが難しい? 感覚的によく判りません。餌を付けて竿は適当にしゃくっていれば、そこそこは釣れる魚のはずだからです。

実家から赤城大沼までは30分はかからない距離。とはいえ札幌から実家に戻るなり翌朝4時には釣りへ行く支度をしているわけですから、親子ともども正気ではありません。
県道を赤城目指し、途中から旧道に入ります。軽く雪が降った後みたいでタイヤの跡が2~3台分。平日のこんな時間に、と関心しているうちに現地到着しました。
すでに5~6台は駐車場に停まっています。ほとんど県外ナンバー。釣り道具屋で入漁料を払いポイントまで移動。やはり10以上のテントがひとところに固まっているエリアがいいらしいです。 

空もだんだんと明るくなってきました。弟は回りの山を見ています。回りの山から水底の地形のおおよその的をつけてからスポットを決め、親父がドリルで穴を開けます。そして弟が魚群探知機で底までの様子を伺っています。昔はこんな道具ありませんでした。これなら釣りは繊細になるはずです。これはフライフィッシングでポピュラーな見釣りに通じるものがあります。 

穴一つ目。魚探を入れるとさっそく反応はありました。底から1メートル範囲で魚影が濃い信号。水深は7メートル。そこでテントを張ることに決め、弟に渡された竿は釣竿とは思えないほどのやわらかい腰、それでどれだけ繊細な釣りになるかは十分に想像ができます。

魚探はまだ反応しています。結構大きい群れのよう。仕掛けを沈めてみます。オモリが底についた位置を確認して糸がふけ始めるところで深さを設定します。そのオモリの15センチ上には軽めのオモリが付いています。今度はこのオモリを底に落とし、小刻みに2、3回竿をしゃくりそして止めます。 この繰り返しがワカサギ釣り基本の動きです。止めた直後に竿の先がブルブル、という場面を何度想像したことやら。不慣れな釣りのハンデがあったとしても、相手はいくらなんでもワカサギです。

でもそこまで繊細な釣りにしちゃったワカサギマニア。これはかなり深い釣りです。赤城のワカサギは特に難しいらしいです。小さなアタリだよ、と弟はいうものの、それすら判りません。 
イメージ的には4~5センチの魚が針についた餌を口でモゴモゴやり始めたサインを読み、あわせる。小さなアタリは、水面部分が表面張力で食い込まれた糸の振れらしい。これは知っているワカサギ釣りとは全く違う釣りです。

弟と親父は数匹上げていましたが朝のプライムタイムでそんな数です。昼過ぎになっても釣れていません。3時までに戻る予定なので気持ちは焦ります。ライズ狙いの魚に何度も無視されているときと同じ気持ちです。普通ワカサギ釣りって言ったら3人いたら少なくても150は上がらないと話にもならない数が出る釣りですのはずです。今晩のワカサギのフライは頭から消えました。

結局、釣った10匹そこそこは持って帰る数でもないのでキャッチアンドリリース。ワカサギでキャッチアンドリリース? まるっきり新しい釣りでした。 (カツ)