ご存知の方もいらっしゃると思いますが・・・Post O`Allsでは、第二次大戦下に作られたシンプルな2ポケットのカバーオール・・・いわゆる大戦モデルを、ほぼ誰も気にしていない1990年代から淡々と(笑)プロモートしてきました・・・

ボタンの数、タイプや材質・・・ポケットの数・・・ステッチの入れ方などの縫製仕様・・・戦時中の物資統制令によって、それ以前の1930年代まで発展していった数々のディテールの省略を余儀なくされたカバーオールには、フル装備のカバーオールにはない、シンプルで魅力的な佇まいがあるんですね・・・

長い時間をかけたプロモートのおかげか、大戦モデルはおかげさまで定番シリーズに昇格・・・数々のバリエーションをリリースしてきました。また、古着の世界でも気がつけばここしばらくの間にポジションを確立しましたね・・・

そのようにPost O’Allsでは愛着のある大戦モデルですが、2021S/Sの新作POST 42 / 42DVくらいから微妙に路線を変更・・・フロントボタンは4個で他のディテールも簡素化されていますが、ポケットの数は2つではなく4つ・・・

それは・・・4ポケットの簡素型・・・いわゆる大戦モデルでも初期の仕様・・・つまり、ボタンの数は減っていますがポケットの数はまだ統制されていない感じ・・・にシフトさせている、とも言えるんですね・・・

そんな古着が、まさにこのタイプ・・おそらくBLUEBELL製の大戦初期(?)モデル・・・4ポケットにWステッチ、そしてフロントはドーナツボタンx4・・・

2ポケットのカバーオールは、デザイン的にはすっきりと大人な感じですが、収容能力はミニマル・・・なので、このように4ポケット+フロントボタン4つという設定だと、相反するニーズに妥協点を見つけてくれるんですね(笑)・・・

この個体はネービーステッチということも相まって、よりシンプルな印象・・・ですが、当時のラフな生地感が全体のキャラクターに味わいを添えており、既視感のあまりない仕上がりとなっています。

実は、POST 42 / 42DV以前にも`18S/Sの1102 XXR2`17F/Wの2102XXLなどの4ポケットの簡素型を実験/提案していたり・・・また、収容能力は2ポケットに毛が生えた程度の2+(小)1ポケットを持つ`19F/WのPOST 41-R、`15F/WのOK42、`14F/WのPOST 41 DVなどのCARLOS 2や3的なアイデアのシリーズを伏線としてリリースしていたり・・・2ポケットのモデルを出しつつも、+αの簡素型バリエーションをトライしてきた歴史があるんですね・・・

 

Post O`Allsの大戦モデルに歴史あり、なんです(笑)!(オオフチ)